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『子ども子育て新システムの問題の核心』…弁護士川口創のブログ より
名古屋で活躍されている弁護士 川口創氏のブログ記事を転載します。
川口弁護士は、子ども子育て新システムの問題点について以前より積極的に発言、行動されています。

子ども子育て新システムがこのまま進んでいくと子どもたちはもちろん、子育て中の保護者にもかなり影響があると考えられます。子ども子育て新システムの核心は何か?是非ご覧になってください。

転載元のURL→ http://kahajime.exblog.jp/16157413/

『子ども子育て新システムの問題の核心』

「子ども子育て新システム」の問題を指摘する際、企業参入の点を強調される方が少なくありません。

でも、僕は企業参入の点は、新システムの大きな問題の1つではあっても、問題の核心ではないと思っています。

「子ども子育て新システム」の問題の核心は、行政が子どもの保育や幼児教育の責任を放棄することにあり、結果として、今の保育園、特にちゃんとした保育をしようと頑張っている保育園の多くがつぶれてしまう危険にさらされる点だと思っています。

 新システムでは、行政は直接保育園や幼稚園を支える責任がなくなります。そして、保育園や幼稚園(こども園)に対する行政からの助成がなくなります。

 行政は子ども手当の上乗せを「幼保一体給付(仮称)」として、親に渡すことになります。親はその「給付」を足しにして、保育料を園に払います。

 そして、「こども園」は親からの保育料だけで経営をしなければなりません。

 さらに、「幼保一体給付」は金額などは一切決まっていません。一端決めても、いつでも下げられることになります。そもそも、子ども手当がなくなってしまうのですから、「幼保一体給付」だっていつなくなるかわかりません。

 そうなると、完全に親の保育料だけで、完全の民間企業として、経営をしていくことを強いられることもあり得ます。

 仮に、「幼保一体給付」があったとしても、わずかな給付でしょうから、親の保育料のみで経営する子ども園の経営が極めて厳しくなるのは明らかです。

 そうなると、コストを削減するか、あるいは「付加価値」をつけて高い保育料を得る「企業努力」をした園だけが生き残ります。
 逆に、保育士をしっかり育て、手厚い保育をしようとする園は、「経営努力」が出来ない園として、つぶれていくでしょう。

 少なくとも、僕の子どもが通っている、地域の人達の支えで作ってきたような小規模の認可保育園の多くはつぶれていくでしょう。なお、厚労省が新システムの法案作成にあたって参考にしている介護保険のもとでは、今日、かなりの事業者がつぶれています。

 厚労省は、新システムの法律を来年通し、再来年から実行するつもりでいます。

 僕は来年第2子が生まれます。

 その子が保育園に入れたとして、卒園するまで、その保育園が残っている保障は全くありません。 残ったとしても、保育の質をぐっと落とすか、保育料をかなり上げないと経営していけないことは間違いありません。

 子どもの安全が守られない社会を作り出す「新システム」。
 絶対に実現させてはならないと思います。
| 子ども・子育て新システム | 12:05 | comments(0) | trackbacks(0) |
新システムをぶっ飛ばせ(10) 全国政令市交流会
「新システムをぶっ飛ばせ!」ムービーの第10弾がアップされました。
是非ご覧ください。
以下の説明などはyoutubeのページより拝借しました。(^^ゞ

学童保育の立場から「子ども・子育て新システム」の問題点を見て分かるムービーシリーズ第10弾。
今回は、7/3~4に行われた学童保育全国政令指定都市交流会でのインタビューを中心にお送りします。
ワーキングチーム「中間取りまとめ」が出され、年明けには法案提出という状況の中ですが、編集が大幅に遅れてしまって、収録から公開まで2ヶ月もかかってしまったことをお­詫びします。

| 子ども・子育て新システム | 23:59 | comments(0) | trackbacks(0) |
新システムをぶっ飛ばせ!(9) 指導員からのお手紙編
以下、YouTubeの解説より転載します。

今回は、愛知県下各地域での取り組みの様子、指導員から国会議員に宛てた手紙、書籍紹介の、3本立てで〜す。 新システムワーキングチームの議論については、次回ご紹介する予定です。


| 子ども・子育て新システム | 22:37 | comments(0) | trackbacks(0) |
新システムをぶっ飛ばせ!(8) 情勢編
以下、YouTubeの解説より転載します。

東日本大震災で犠牲になられた多くの方々に心より哀悼の意を表します。
被災された皆様の一日も早い復興と、子どもたちの健康な生活が一日も早く取り戻せるよう、私たちも全力で応援してまいります。
共にがんばりましょう!

さて、今回の内容は、
(1)震災のどさくさで国会を通ってしまった「地域主権改革一括法案」の重大な問題
(2)再開されたワーキングチームの議論の動向
(3)京都のマラソンスピーチのご紹介
の3本立てです。





(3)で紹介されている京都の会へのリンクは以下の通りです。

twitter「新システム」に反対する京都の会 @kaaiikodomo 京都
https://twitter.com/#!/kaaiikodomo

かぁ〜いい子どもたち☆
京都のみんなで手を取り合って発信して全国のみんなと一緒に民主党政権がすすめる「子ども子育て新システム」を国会に出させない運動を広げるブログ
http://daisukihoikuen.blog100.fc2.com/

YouTube sakyofukuhoro さんのチャンネル
http://www.youtube.com/user/sakyofukuhoro

| 子ども・子育て新システム | 22:02 | comments(0) | trackbacks(0) |
名古屋市保育施策検討会議委員による「意見をお聴きする会」の参加者及び保育施策への市民意見の募集について
名古屋市がHPで題記のイベントの広報をしています。
概要を当ページに引用しますが、詳細は名古屋市HPを参照ください。
ちなみに学童保育には直接は言及出来ないと思われます。
名古屋市保育施策検討会議委員による「意見をお聴きする会」の参加者及び保育施策への市民意見の募集について
本市では保育所入所待機児童の解消に向けた保育サービスの拡充や、国の新たな子ども・子育て新システムの対応を含む保育施策等について総合的に検討する「名古屋市保育施策検討会議」を本年1月に設置しました。

また、市民の皆様からの保育施策へのご意見・ご提案をあわせて募集します。
募集期間…平成23年5月6日(金曜日)から平成23年5月20日(金曜日)(必着)

「意見をお聴きする会」について
日時…平成23年6月4日(土曜日)午後1時00分から午後3時00分
場所…名古屋市高齢者就業支援センター 大会議室(御器所ステーションビル)昭和区御器所通3丁目12番地の1
募集人数…40名以内
内容…名古屋市の保育サービスのご意見(保育サービスを利用できなくて困ったこと、保育サービスの拡充のために必要なこと)を、有識者・保育関係者等からなる検討会議の委員がお聴きします。

申込方法…「意見をお聴きする会」申込書に必要事項をご記入のうえ、持参、郵送、ファックス、または電子メールにて提出してください。

ご意見・ご提案のみを希望される方は、意見提出シートに必要事項をご記入のうえ、同様の要領で提出してください。

詳しくは、応募書類をご覧ください。

応募書類
募集案内 (PDF形式, 148.68KB)
「意見をお聴きする会」申込書 (DOC形式, 43.00KB)
意見提出シート (DOC形式, 41.50KB)
「名古屋市保育施策検討会議」について (PDF形式, 52.92KB)

子ども青少年局 子育て家庭部 保育企画室
〒460-8508 中区三の丸三丁目1番1号
電話番号: 052-972-3093
ファックス番号: 052-972-4146
電子メールアドレス: a2524-08@kodomoseishonen.city.nagoya.lg.jp

| 子ども・子育て新システム | 13:05 | comments(0) | trackbacks(0) |
日弁連 子ども・子育て新システムに関する意見書 転載
日本弁護士連合会が1/21に下記の意見書を発表しています。「子ども・子育て新システム」の問題点が解り易く纏められていると思います。ご一読ください。ちなみに名古屋市連協よりの情報提供でした。いつもありがとうございます。
参照元の日本弁護士連合会の該当ページはこちら



子ども・子育て新システムに関する意見書

2011年(平成23年)1月21日

日本弁護士連合会

少子化社会対策基本法により設置された少子化社会対策会議が2010年6月29日に決定した「子ども・子育て新システムの基本制度案要綱」(以下「要綱」という。)に基づき,2011年通常国会に「子ども・子育て新システム」(以下「新システム」という。)に関する法案の提出が予定されている。新システムについては,未だ制度の詳細が必ずしも明らかではなく,具体的な意見を述べうる状況にまでは至っていないが,新システムが,要綱の冒頭で謳われているとおり,真の意味で「すべての子どもへの良質な成育環境を保障」し,「子どもを大切にする社会」を実現するものとなるように,以下のとおり意見を述べる。
なお,今後,制度の詳細が明らかになった段階で,当連合会は,改めて,新システムに関する具体的意見を述べる予定である。

第1 意見の趣旨

1 「すべての子ども」が成長発達する権利を保障するために必要な施策を網羅するべきである

新システムに関する法案には,「すべての子ども」が成長発達する権利を保障するために必要な施策をもれなく盛り込むべきである。具体的には,貧困状況にある子ども,障がいのある子ども,虐待を受けている子ども,ひとり親家庭の子どもなど,困難を抱えた子どもに対する施策をもれなく盛り込むことができるようにすべきであり,かつ,「すべての子ども」が成長発達する権利を保障するために必要な財源を確保しなければならないことを明記した上で,その資金が,支援が必要な子どものための施策に確実に使用されるシステムを確立すべきである。

2 早期支援・貧困予防の視点を盛り込むべきである

新システムに関する法案には,「すべての子ども」が成長発達する権利を保障するためには,早期支援・貧困予防の視点を明確な方針として盛り込み,か
つ,かかる視点に立った具体的制度を盛り込むべきである。

3 「すべての子ども」が質の良い保育を受ける権利の保障を徹底すべきである

新システムに関する法案には,「すべての子ども」が質の良い保育を受ける権利を有することを明文化し,その保障を実質化するためにナショナル・ミニマムを堅持してその内容を一層充実させるとともに,国や自治体が責任をもって質と量を伴った保育の実施をしなければならないこと,また,保育に関する財源を確保し義務的経費化することを明記すべきである。また,「すべての子ども」に保育を受ける権利を保障することと明らかに逆行する保育制度の介護保険化は,新システムに関する法案からは除くべきである。

第2 意見の理由

1 はじめに

要綱において,新システムは,「すべての子どもへの良質な成育環境を保障し,子どもを大切にする社会」等を実現することを目的の第一に掲げ,かかる目的を実現するために,「子ども・子育てを社会全体で支援」し,「利用者(子どもと子育て家庭)本位を基本とし,すべての子ども・子育て家庭に必要な良質のサービスを提供」することを方針の第一としている。そして,新システムとは,子ども・子育てに関する財源を一元化するものであり,その財源を社会全体で負担し,他方で,多様な保育サービスを提供し,ワーク・ライフ・バランスを実現するものであるとされている。さらに,新システムを具体化する工程として,2011年通常国会に新システムに関する法案を提出し,その後,2013年度に本格施行するべく,段階的に実施していくことが予定されている。
要綱にかかげられた新システムの目的や方針,実現すべき対象のうち,前記に挙げたものは,基本的に賛同すべきものである。これらの目的や方針,実現すべき対象は,要綱に先立って2010年1月に閣議決定された子ども・子育てビジョンとも合致するものである。
しかし,以下のとおり,前記の目的や方針,実現すべき対象を達成するための手段としての具体的制度には,明らかに前記の目的や方針,実現すべき対象と矛盾する点や不十分な点がある。
以下には,新システムの前記の目的や方針,実現すべき対象をよりよく達成するために解決すべき問題点を指摘する。

2 「すべての子ども」が成長発達する権利を保障するための必要な施策が網羅されていないこと

憲法13条,14条,25条,26条及び子どもの権利条約18条,23条,26条,27条によれば,「すべての子ども」は成長発達する権利を保障されている。要綱が「すべての子どもへの良質な成育環境を保障」することを新システムの目的の第一に掲げていることは,新システムがこのような「すべての子ども」の成長発達する権利を実質的に保障するためのものであり,新システムには,かかる権利を実質的に保障するために必要な施策がもれなく盛り込まれるべきであることを端的に示している。
ところが,要綱には,具体的制度としては保育に関する記載が大半を占めており,「すべての子ども」の成長発達する権利を実質的に保障するために必要な施策がもれなく盛り込まれているとは到底いえない。また,子ども・子育てビジョンでは「格差や貧困を解消する」としているにもかかわらず,要綱では,子どもの貧困問題の解消という視点に立った具体的制度の言及が全くない。さらに,要綱では,障がいのある子どもなど,困難を抱えた子どもに対する施策が,社会的養護を含め,全く抜け落ちている。加えて,これらの子どもに対する施策の裏付けとなる十分な財源確保ができるのかどうかは,要綱では必ずしも明確ではない。
これでは,新システムが良質な成育環境を保障すると掲げる「すべての子ども」に対して成長発達する権利を実質的に保障することは到底できない。
よって,新システムに関する法案には,「すべての子ども」が成長発達する権利を保障するために必要な施策をもれなく盛り込むべきである。具体的には,貧困状況にある子ども,障がいのある子ども,虐待を受けている子ども,ひとり親家庭の子どもなど,困難を抱えた子どもに対する施策をもれなく盛りこむことができるようにすべきであり,かつ,「すべての子ども」が成長発達する権利を保障するために必要な財源を確保しなければならないことを明記した上で,その資金が,支援が必要な子どものための施策に使用されるシステムを確立すべきである。

3 早期支援・貧困予防の視点が全く抜け落ちていること

当連合会は,2010年10月,第53回人権擁護大会において,「貧困の連鎖を断ち切り,すべての子どもの生きる権利,成長し発達する権利の実現を求める決議」を採択し,子どもの貧困問題について,子どもに不利益を蓄積させないようにする貧困の予防,既に不利益が蓄積されつつある子どもについては早期支援により不利益を回避させることを重要であることを指摘した。
ところが,要綱では,子ども・子育てビジョンでは目標とされている「親の経済力や幼少期の成育環境によって,人生のスタートラインの段階から大きな格差が生じ,世代を超えて格差が固定化することがない社会」,すなわち,貧困の連鎖が断ち切られた社会をどのように実現するのかが明らかとなっていない。つまり,新システムでは,早期支援・貧困予防の視点が全く抜け落ちているのである。
新システムに早期支援・貧困予防の視点を盛り込むことによって,「すべての子ども」が成長発達する権利を保障するために必要な具体的制度とは何かを的確にとらえ,そのような具体的制度を新システムに盛り込むことができる。その結果,子どもの貧困・格差を解消し,貧困の連鎖が断ち切られた社会を実現することができる。また,次世代の「すべての子ども」が,成長発達して力をつけることのできる機会を得ることができるのであって,将来の日本を担う人材の育成にもつながる。
よって,新システムに関する法案には,「すべての子ども」が成長発達する権利を保障するためには,早期支援・貧困予防の視点を明確な方針として盛り込み,かつ,かかる視点に立った具体的制度を盛り込むべきである。

4 「すべての子ども」が質の良い保育を受ける権利を有することが徹底されていないこと

(1) 当連合会の立場

当連合会は,2010年10月,前述の人権擁護大会決議を採択し,保育について,すべての子どもが良質な保育を受ける権利を保障し,これを享受できるよう,保育施設を量的に拡充し,かつ,質的に向上させることが必要であると指摘した。

(2) 新システムでは保育を受ける権利の保障の具体的方法が明らかでないこと

ところが,要綱では,方針において,「すべての子ども・子育て家庭に必要な良質のサービスを提供」するとされているものの,そのようなサービス,例えば良質な保育サービスがいかなる方法によって提供されるのかが具体的に示されていないのである。
もとより,「すべての子ども」が成長発達する権利の一内実として,すべての子どもが質の良い保育を受ける権利を有するのであり,そうだとすれば,そのような権利の実質的保障のためにも,良質な保育サービスがいかなる方法によって提供されるかが具体的に示されていなければならない。
具体的には,良質な保育サービスの提供のためには,現行の保育所最低基準のような保育施設に関するナショナル・ミニマムを堅持するとともに,その内容をさらに引き上げ,保育の質や水準の低下を防ぐ工夫が不可欠である。

(3) 新システムでは国や自治体の保育の実施責任が明示されていないこと

また,すべての子どもの質の良い保育を受ける権利の保障を実質化するためには,すなわち,国や自治体が質と量を伴った保育を実施する責任を果たさなければならないことは言うまでもない。しかし,この点についても,要綱では,国や自治体が責任をもって質と量を伴った保育の実施をすべきであるということが明記されていない。また,新システムにおいては,保育の提供を確保するため,必要な子どもにサービス・給付を保障する「責務」,質の確保されたサービスの提供「責務」など5つの「責務」が市町村に課されるとされているが,これらの内実が必ずしも明らかではないのみならず,これらの「責務」が保育の実施責任を前提としないとすれば,そのような「責務」は,画餅に帰すと言わざるを得ない。

(4) 新システムでは保育に関する財源確保,義務的経費化が明記されていないこと

さらに,すべての子どもの質の良い保育を受ける権利の保障を実質化し,保育の実施責任を全うするためには,保育に関する財源確保が図られることが必要不可欠であることは言うまでもない。要綱には,保育に関する財源確保,義務的経費化が明記されていないため,新システムの法案にはこの点が明記されるべきである。

(5) 幼保一体化の問題

新システムでは,幼稚園・保育所・認定こども園の垣根を取り払い,新たな指針に基づき,幼児教育と保育をともに提供するこども園に一体化する,いわゆる幼保一体化が議論されている。
しかし,幼稚園,保育所はともに,それぞれ長い歴史を持ち,独自の制度として発展してきたのであり,それらを性急に一体化しようとすれば,大きな混乱を招くおそれがある。仮に幼保一体化を進めるとしても,現場への影響や当事者の意見を吟味しつつ,慎重に議論を尽くすべきであり,拙速導入は避けるべきである。

(6) 介護保険型の制度設計の問題点

ところで,幼保一体給付の政府案は,基本的にサービス利用量に応じて一律の負担割合で利用者が自己負担する介護保険型の制度設計となっている。
現行では,保護者が市町村と保育契約を締結しているところ,政府案では,各事業者との直接契約となり,各市町村は,保育が必要か否かを認定して,それに応じた保育料を支払い,これを各事業者が保護者を代理して受領する(利用者補助・法定代理受領制度)。保育料は,現在の収入に応じた応能負担から,利用に応じて負担が増える応益負担になる。その上で,国の定める「公定価格」を原則としつつも,「公定価格」部分以外の付加的な幼児教育・保育を自由価格とし,入学金や特別活動費の徴収を認めるとされている。
かかる制度設計には,以下に述べる幾つかの懸念があり,再考すべきである。

「要保護児童」に必要十分な保育サービスが提供されなくなる

まず,現状,認可保育所は,児童福祉法24条4項,同25条,同26条,児童虐待防止法13条の2などの規定に基づき,虐待の疑いがもたれるなどの「要保護児童」に対して入所勧告し,措置的に入所させる機能を有している。この機能に基づき,児童相談所では,子ども側の要因も含め養育に困難をきたしている家庭,家事育児が苦手でネグレクト状態になっている家庭,イライラして子どもに手を上げそうになってしまう家庭を援助する際に,保育所への入所を勧告している。日中,子どもと離れる時間を持つことで養育の行き詰まりを防ぎ,保育所の保育士から具体的な育児支援を受けることで家庭を支えている。また,保育所は,入所している子どもが虐待を受けている場合に,毎日行われる保育を通じて,虐待を早期に発見・通告しうる機関として極めて重要な役割を果たしている。さらに,保育所は,親子分離されていない虐待ケースにおいて,子どもへの虐待の再発により子どもの身体・生命・精神に被害が生じることのないよう,児童相談所等の関係機関と連携しながら,虐待を行ってしまった親への育児支援や当該ケースの見守りを行うなどして,虐待の再発防止や事後のケアを行っている。加えて,一時保護所や施設から家族再統合を図る際には,必ず保育所への通園を条件として,子どもの安全を確認しながら家族再統合を進めている。このような保育所の社会資源としての機能は,新システムに移行しても,堅持されなければならない。
ところが,介護保険型の制度に移行した場合には,多くは貧困を抱える要保護児童の保護者も,一律,サービス利用量に応じた一定の自己負担金を支払わなければならないこととなり,前記の入所勧告が遵守されない事態を招来する。すなわち,要保護性の高い児童ほどサービス利用量が増え,自己負担金が高くなることを意味し,保護者の経済力によって,要保護児童に必要十分な保育サービスが提供されないこととなれば,新システムが言う「すべての子ども」から「要保護児童」が排除されることになりかねない。

「要保護児童」及び家庭への支援機能が危機に瀕する

次に,介護保険型の制度に移行した場合には,公定価格に自由価格を上乗せしない施設では収入が不安定になり,職員の不安定雇用化が進むことは既に実証されているところである。「要保護児童」を受け入れる施設は公定価格のみでの運営が基本となるであろうが,職員が不安定雇用化し,「要保護児童」及び家庭への対応に関する専門的知識・技能が蓄積されないこととなり,保育所における「要保護児童」及び家庭への支援機能が危機に瀕することになる。なお,このように支援機能が危機に瀕することを回避するために「要保護児童」及び家庭への支援機能を公立保育所など一部の保育所に集中させることになれば,それは,差別的取扱いとなるおそれがあるばかりか,「すべての子ども」の成長発達に悪影響を与えることになりかねない。

自治体による実効性のある指導・監督が及ばなくなる

さらに,子どもに関わるサービスでは,子どもが適切にサービス内容を評価し,表現することが困難であることから,質の面での自治体による指導・監督が十全になされる必要がある。ところが,介護保険型の制度では,自治体と事業者との間には直接の契約関係はなく,給付の利用者補助・法定代理受領制度があるのみであり,事業者の提供するサービスの質に問題があっても,利用者が選択して利用した以上,自治体は給付を支払わざるを得ず,実効性のある指導・監督が及ばなくなる危険がある。

「要保護児童」の排除を避けるための応諾義務の実効化には疑問がある加えて,事業者が「要保護児童」のような手のかかる子ども・家庭を選別・排除する事態も,介護保険制度や障害者自立支援法の下で施設やサービス事業者による応諾義務違反の拒否が横行していることに照らせば,容易に想定される。自治体と事業者との間に契約関係がないところで,どのように応諾義務を実効あるものにできるのか,疑問なしとしない。

保育サービスからの撤退による保育難民の発生が懸念される

介護保険型の制度では,事業者が,保育サービスから撤退することも自由とならざるを得ず,その結果,事業者の経済状況如何で保育サービスからの撤退がなされ,当該事業所の経営する保育施設に通っている子どもは保育難民となってしまう。また,介護保険型の制度では,過疎地において,事業者が保育サービスを提供して利潤を得ることが困難となるため,やはり保育サービスからの撤退が起こり,過疎地の子どもが通う保育施設がなくなってしまう結果,保育難民が発生することが懸念される。

小括

以上のとおり,介護保険型の利用者直接契約・利用者補助制度では,「すべての子ども」が排除されない制度とすることは極めて困難である。新システムにおける保育の具体的制度としては,自治体と事業者との間の委託契約を前提とした現物給付制度を採用すべきである。

(7) 結語

よって,新システムに関する法案には,「すべての子ども」が質の良い保育を受ける権利を有することを明文化し,その保障を実質化するために,国や自治体が責任をもって質と量を伴った保育の実施をしなければならないこと,また,保育に関する財源を確保し義務的経費化することを明記すべきである。また,「すべての子ども」に保育を受ける権利を保障することと明らかに逆行する保育制度の介護保険化は,新システムに関する法案からは除くべきである。

以 上

| 子ども・子育て新システム | 20:28 | comments(0) | trackbacks(0) |
新システムをぶっとばせ! part4
以下、YouTubeの解説より転載します。

学童保育から見た子ども・子育て新システムの問題点が一目で分かるムービーシリーズ第­6弾。前回アップロードしたムービーが音声に問題があったため、改めて編集し直したも­のです。こちらは問題なく再生できますので、こちらを広めていただければと思います。
今回は、「よくわかる子ども・子育て新システム」の著者中山徹さん(奈良女子大学大学­院教授)を講師に迎えて行われた、愛知学童保育連絡協議会主催の学習会の模様をダイ­­ジェストでお送りします。名古屋は9年ぶりの大雪と言う荒天でしたが、愛知県下から3­­5人の参加者が集まりました。

新システムをぶっとばせ!(6)学習会ダイジェスト編

| 子ども・子育て新システム | 20:27 | comments(0) | trackbacks(0) |
新システムをぶっとばせ! part3
学童保育から見た子ども・子育て新システムの問題点が一目で分かるムービーシリーズ第­5弾。
今回は、学童保育士という資格認定を推進するNPO学童保育指導員協会の事務局­長の保永さんをゲストにお招きして、学童保育指導員の資格からみた新システムの問題点­を語っていただきました。

新システムをぶっとばせ!(5) 学童保育士の資格からみた新システム


【お知らせ】
ご意見・ご感想・コメント・ご質問などを受け付けております。
ムービーの中で採用させ­ていただいた方には、ステッカーをプレゼントいたします。どしどしご応募下さい。
YouTubeのコメント欄、メール、ファックス、はがきなどでご応募下さい。
◎メール:new_systemアットマークgakudou-nagoya.org (アットマークを@に書きかえてね)
◎FAX:052-872-1974
◎ハガキ:〒456-0006 名古屋市熱田区沢下町9-7-308 保育センター内 新システムをぶっとばせ!係宛
| 子ども・子育て新システム | 20:45 | comments(0) | trackbacks(0) |
ストップ!!新システム 〜子ども・子育て新システムの危険な内容〜
【チラシより抜粋】

政府が進めようとしている【子ども・子育て新システム】について、みなさんはどれほど理解していますか?
これは保育園や幼稚園だけの問題ではありません!!
保護者にとっても子どもたちにとってもなくてはならない【学童保育】
「名古屋の学童保育は無くなってしまうかもしれない!?」
「子どもたちの放課後がどうなっちゃうの???」
「よくわかる子ども・子育て新システム-保育園・幼稚園・学童保育-」(かもがわ出版)を2010 年10 月に出版された中山徹さんを講師に、学童保育がどうなるのか学習します。



日時:2011年1月18日(火)19:30〜
場所:労働会館本館2F 第1・2会議室
| 子ども・子育て新システム | 00:04 | comments(0) | trackbacks(0) |
新システムをぶっとばせ! part2
あけましておめでとうございます。
昨年に引き続き、本年もよろしくお願いします。

それと共同で当ブログを運営していただける方を引き続き募集中です!
当ブログの名前の「つながれ!」は沢山の人とつながっていきたい、みんながつながって名古屋の学童保育をより良くしていきたいという希望から名づけています。お待ちしています。

ところで、先日紹介した「新システムをぶっとばせ!」の第3弾&4弾です。
楽しく解りやすく説明されているので、新システムを知ってる人も良く知らない人も是非一度はご覧ください。

新システムをぶっとばせ!(3)障がい福祉から見た新システム編


新システムをぶっとばせ!(4)保育内容はどうなる?編


ついでに12月18日のクリスマスアピールの日の午前中に行われた「子ども子育ての明日を考えるシンポジウム」の動画もリンクしておきます。こちらも是非ご覧ください。

子ども子育ての明日を考えるシンポジウム(1)


子ども子育ての明日を考えるシンポジウム(2)


以上です。
| 子ども・子育て新システム | 22:56 | comments(0) | trackbacks(0) |
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