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日弁連 子ども・子育て新システムに関する意見書 転載
日本弁護士連合会が1/21に下記の意見書を発表しています。「子ども・子育て新システム」の問題点が解り易く纏められていると思います。ご一読ください。ちなみに名古屋市連協よりの情報提供でした。いつもありがとうございます。
参照元の日本弁護士連合会の該当ページはこちら



子ども・子育て新システムに関する意見書

2011年(平成23年)1月21日

日本弁護士連合会

少子化社会対策基本法により設置された少子化社会対策会議が2010年6月29日に決定した「子ども・子育て新システムの基本制度案要綱」(以下「要綱」という。)に基づき,2011年通常国会に「子ども・子育て新システム」(以下「新システム」という。)に関する法案の提出が予定されている。新システムについては,未だ制度の詳細が必ずしも明らかではなく,具体的な意見を述べうる状況にまでは至っていないが,新システムが,要綱の冒頭で謳われているとおり,真の意味で「すべての子どもへの良質な成育環境を保障」し,「子どもを大切にする社会」を実現するものとなるように,以下のとおり意見を述べる。
なお,今後,制度の詳細が明らかになった段階で,当連合会は,改めて,新システムに関する具体的意見を述べる予定である。

第1 意見の趣旨

1 「すべての子ども」が成長発達する権利を保障するために必要な施策を網羅するべきである

新システムに関する法案には,「すべての子ども」が成長発達する権利を保障するために必要な施策をもれなく盛り込むべきである。具体的には,貧困状況にある子ども,障がいのある子ども,虐待を受けている子ども,ひとり親家庭の子どもなど,困難を抱えた子どもに対する施策をもれなく盛り込むことができるようにすべきであり,かつ,「すべての子ども」が成長発達する権利を保障するために必要な財源を確保しなければならないことを明記した上で,その資金が,支援が必要な子どものための施策に確実に使用されるシステムを確立すべきである。

2 早期支援・貧困予防の視点を盛り込むべきである

新システムに関する法案には,「すべての子ども」が成長発達する権利を保障するためには,早期支援・貧困予防の視点を明確な方針として盛り込み,か
つ,かかる視点に立った具体的制度を盛り込むべきである。

3 「すべての子ども」が質の良い保育を受ける権利の保障を徹底すべきである

新システムに関する法案には,「すべての子ども」が質の良い保育を受ける権利を有することを明文化し,その保障を実質化するためにナショナル・ミニマムを堅持してその内容を一層充実させるとともに,国や自治体が責任をもって質と量を伴った保育の実施をしなければならないこと,また,保育に関する財源を確保し義務的経費化することを明記すべきである。また,「すべての子ども」に保育を受ける権利を保障することと明らかに逆行する保育制度の介護保険化は,新システムに関する法案からは除くべきである。

第2 意見の理由

1 はじめに

要綱において,新システムは,「すべての子どもへの良質な成育環境を保障し,子どもを大切にする社会」等を実現することを目的の第一に掲げ,かかる目的を実現するために,「子ども・子育てを社会全体で支援」し,「利用者(子どもと子育て家庭)本位を基本とし,すべての子ども・子育て家庭に必要な良質のサービスを提供」することを方針の第一としている。そして,新システムとは,子ども・子育てに関する財源を一元化するものであり,その財源を社会全体で負担し,他方で,多様な保育サービスを提供し,ワーク・ライフ・バランスを実現するものであるとされている。さらに,新システムを具体化する工程として,2011年通常国会に新システムに関する法案を提出し,その後,2013年度に本格施行するべく,段階的に実施していくことが予定されている。
要綱にかかげられた新システムの目的や方針,実現すべき対象のうち,前記に挙げたものは,基本的に賛同すべきものである。これらの目的や方針,実現すべき対象は,要綱に先立って2010年1月に閣議決定された子ども・子育てビジョンとも合致するものである。
しかし,以下のとおり,前記の目的や方針,実現すべき対象を達成するための手段としての具体的制度には,明らかに前記の目的や方針,実現すべき対象と矛盾する点や不十分な点がある。
以下には,新システムの前記の目的や方針,実現すべき対象をよりよく達成するために解決すべき問題点を指摘する。

2 「すべての子ども」が成長発達する権利を保障するための必要な施策が網羅されていないこと

憲法13条,14条,25条,26条及び子どもの権利条約18条,23条,26条,27条によれば,「すべての子ども」は成長発達する権利を保障されている。要綱が「すべての子どもへの良質な成育環境を保障」することを新システムの目的の第一に掲げていることは,新システムがこのような「すべての子ども」の成長発達する権利を実質的に保障するためのものであり,新システムには,かかる権利を実質的に保障するために必要な施策がもれなく盛り込まれるべきであることを端的に示している。
ところが,要綱には,具体的制度としては保育に関する記載が大半を占めており,「すべての子ども」の成長発達する権利を実質的に保障するために必要な施策がもれなく盛り込まれているとは到底いえない。また,子ども・子育てビジョンでは「格差や貧困を解消する」としているにもかかわらず,要綱では,子どもの貧困問題の解消という視点に立った具体的制度の言及が全くない。さらに,要綱では,障がいのある子どもなど,困難を抱えた子どもに対する施策が,社会的養護を含め,全く抜け落ちている。加えて,これらの子どもに対する施策の裏付けとなる十分な財源確保ができるのかどうかは,要綱では必ずしも明確ではない。
これでは,新システムが良質な成育環境を保障すると掲げる「すべての子ども」に対して成長発達する権利を実質的に保障することは到底できない。
よって,新システムに関する法案には,「すべての子ども」が成長発達する権利を保障するために必要な施策をもれなく盛り込むべきである。具体的には,貧困状況にある子ども,障がいのある子ども,虐待を受けている子ども,ひとり親家庭の子どもなど,困難を抱えた子どもに対する施策をもれなく盛りこむことができるようにすべきであり,かつ,「すべての子ども」が成長発達する権利を保障するために必要な財源を確保しなければならないことを明記した上で,その資金が,支援が必要な子どものための施策に使用されるシステムを確立すべきである。

3 早期支援・貧困予防の視点が全く抜け落ちていること

当連合会は,2010年10月,第53回人権擁護大会において,「貧困の連鎖を断ち切り,すべての子どもの生きる権利,成長し発達する権利の実現を求める決議」を採択し,子どもの貧困問題について,子どもに不利益を蓄積させないようにする貧困の予防,既に不利益が蓄積されつつある子どもについては早期支援により不利益を回避させることを重要であることを指摘した。
ところが,要綱では,子ども・子育てビジョンでは目標とされている「親の経済力や幼少期の成育環境によって,人生のスタートラインの段階から大きな格差が生じ,世代を超えて格差が固定化することがない社会」,すなわち,貧困の連鎖が断ち切られた社会をどのように実現するのかが明らかとなっていない。つまり,新システムでは,早期支援・貧困予防の視点が全く抜け落ちているのである。
新システムに早期支援・貧困予防の視点を盛り込むことによって,「すべての子ども」が成長発達する権利を保障するために必要な具体的制度とは何かを的確にとらえ,そのような具体的制度を新システムに盛り込むことができる。その結果,子どもの貧困・格差を解消し,貧困の連鎖が断ち切られた社会を実現することができる。また,次世代の「すべての子ども」が,成長発達して力をつけることのできる機会を得ることができるのであって,将来の日本を担う人材の育成にもつながる。
よって,新システムに関する法案には,「すべての子ども」が成長発達する権利を保障するためには,早期支援・貧困予防の視点を明確な方針として盛り込み,かつ,かかる視点に立った具体的制度を盛り込むべきである。

4 「すべての子ども」が質の良い保育を受ける権利を有することが徹底されていないこと

(1) 当連合会の立場

当連合会は,2010年10月,前述の人権擁護大会決議を採択し,保育について,すべての子どもが良質な保育を受ける権利を保障し,これを享受できるよう,保育施設を量的に拡充し,かつ,質的に向上させることが必要であると指摘した。

(2) 新システムでは保育を受ける権利の保障の具体的方法が明らかでないこと

ところが,要綱では,方針において,「すべての子ども・子育て家庭に必要な良質のサービスを提供」するとされているものの,そのようなサービス,例えば良質な保育サービスがいかなる方法によって提供されるのかが具体的に示されていないのである。
もとより,「すべての子ども」が成長発達する権利の一内実として,すべての子どもが質の良い保育を受ける権利を有するのであり,そうだとすれば,そのような権利の実質的保障のためにも,良質な保育サービスがいかなる方法によって提供されるかが具体的に示されていなければならない。
具体的には,良質な保育サービスの提供のためには,現行の保育所最低基準のような保育施設に関するナショナル・ミニマムを堅持するとともに,その内容をさらに引き上げ,保育の質や水準の低下を防ぐ工夫が不可欠である。

(3) 新システムでは国や自治体の保育の実施責任が明示されていないこと

また,すべての子どもの質の良い保育を受ける権利の保障を実質化するためには,すなわち,国や自治体が質と量を伴った保育を実施する責任を果たさなければならないことは言うまでもない。しかし,この点についても,要綱では,国や自治体が責任をもって質と量を伴った保育の実施をすべきであるということが明記されていない。また,新システムにおいては,保育の提供を確保するため,必要な子どもにサービス・給付を保障する「責務」,質の確保されたサービスの提供「責務」など5つの「責務」が市町村に課されるとされているが,これらの内実が必ずしも明らかではないのみならず,これらの「責務」が保育の実施責任を前提としないとすれば,そのような「責務」は,画餅に帰すと言わざるを得ない。

(4) 新システムでは保育に関する財源確保,義務的経費化が明記されていないこと

さらに,すべての子どもの質の良い保育を受ける権利の保障を実質化し,保育の実施責任を全うするためには,保育に関する財源確保が図られることが必要不可欠であることは言うまでもない。要綱には,保育に関する財源確保,義務的経費化が明記されていないため,新システムの法案にはこの点が明記されるべきである。

(5) 幼保一体化の問題

新システムでは,幼稚園・保育所・認定こども園の垣根を取り払い,新たな指針に基づき,幼児教育と保育をともに提供するこども園に一体化する,いわゆる幼保一体化が議論されている。
しかし,幼稚園,保育所はともに,それぞれ長い歴史を持ち,独自の制度として発展してきたのであり,それらを性急に一体化しようとすれば,大きな混乱を招くおそれがある。仮に幼保一体化を進めるとしても,現場への影響や当事者の意見を吟味しつつ,慎重に議論を尽くすべきであり,拙速導入は避けるべきである。

(6) 介護保険型の制度設計の問題点

ところで,幼保一体給付の政府案は,基本的にサービス利用量に応じて一律の負担割合で利用者が自己負担する介護保険型の制度設計となっている。
現行では,保護者が市町村と保育契約を締結しているところ,政府案では,各事業者との直接契約となり,各市町村は,保育が必要か否かを認定して,それに応じた保育料を支払い,これを各事業者が保護者を代理して受領する(利用者補助・法定代理受領制度)。保育料は,現在の収入に応じた応能負担から,利用に応じて負担が増える応益負担になる。その上で,国の定める「公定価格」を原則としつつも,「公定価格」部分以外の付加的な幼児教育・保育を自由価格とし,入学金や特別活動費の徴収を認めるとされている。
かかる制度設計には,以下に述べる幾つかの懸念があり,再考すべきである。

「要保護児童」に必要十分な保育サービスが提供されなくなる

まず,現状,認可保育所は,児童福祉法24条4項,同25条,同26条,児童虐待防止法13条の2などの規定に基づき,虐待の疑いがもたれるなどの「要保護児童」に対して入所勧告し,措置的に入所させる機能を有している。この機能に基づき,児童相談所では,子ども側の要因も含め養育に困難をきたしている家庭,家事育児が苦手でネグレクト状態になっている家庭,イライラして子どもに手を上げそうになってしまう家庭を援助する際に,保育所への入所を勧告している。日中,子どもと離れる時間を持つことで養育の行き詰まりを防ぎ,保育所の保育士から具体的な育児支援を受けることで家庭を支えている。また,保育所は,入所している子どもが虐待を受けている場合に,毎日行われる保育を通じて,虐待を早期に発見・通告しうる機関として極めて重要な役割を果たしている。さらに,保育所は,親子分離されていない虐待ケースにおいて,子どもへの虐待の再発により子どもの身体・生命・精神に被害が生じることのないよう,児童相談所等の関係機関と連携しながら,虐待を行ってしまった親への育児支援や当該ケースの見守りを行うなどして,虐待の再発防止や事後のケアを行っている。加えて,一時保護所や施設から家族再統合を図る際には,必ず保育所への通園を条件として,子どもの安全を確認しながら家族再統合を進めている。このような保育所の社会資源としての機能は,新システムに移行しても,堅持されなければならない。
ところが,介護保険型の制度に移行した場合には,多くは貧困を抱える要保護児童の保護者も,一律,サービス利用量に応じた一定の自己負担金を支払わなければならないこととなり,前記の入所勧告が遵守されない事態を招来する。すなわち,要保護性の高い児童ほどサービス利用量が増え,自己負担金が高くなることを意味し,保護者の経済力によって,要保護児童に必要十分な保育サービスが提供されないこととなれば,新システムが言う「すべての子ども」から「要保護児童」が排除されることになりかねない。

「要保護児童」及び家庭への支援機能が危機に瀕する

次に,介護保険型の制度に移行した場合には,公定価格に自由価格を上乗せしない施設では収入が不安定になり,職員の不安定雇用化が進むことは既に実証されているところである。「要保護児童」を受け入れる施設は公定価格のみでの運営が基本となるであろうが,職員が不安定雇用化し,「要保護児童」及び家庭への対応に関する専門的知識・技能が蓄積されないこととなり,保育所における「要保護児童」及び家庭への支援機能が危機に瀕することになる。なお,このように支援機能が危機に瀕することを回避するために「要保護児童」及び家庭への支援機能を公立保育所など一部の保育所に集中させることになれば,それは,差別的取扱いとなるおそれがあるばかりか,「すべての子ども」の成長発達に悪影響を与えることになりかねない。

自治体による実効性のある指導・監督が及ばなくなる

さらに,子どもに関わるサービスでは,子どもが適切にサービス内容を評価し,表現することが困難であることから,質の面での自治体による指導・監督が十全になされる必要がある。ところが,介護保険型の制度では,自治体と事業者との間には直接の契約関係はなく,給付の利用者補助・法定代理受領制度があるのみであり,事業者の提供するサービスの質に問題があっても,利用者が選択して利用した以上,自治体は給付を支払わざるを得ず,実効性のある指導・監督が及ばなくなる危険がある。

「要保護児童」の排除を避けるための応諾義務の実効化には疑問がある加えて,事業者が「要保護児童」のような手のかかる子ども・家庭を選別・排除する事態も,介護保険制度や障害者自立支援法の下で施設やサービス事業者による応諾義務違反の拒否が横行していることに照らせば,容易に想定される。自治体と事業者との間に契約関係がないところで,どのように応諾義務を実効あるものにできるのか,疑問なしとしない。

保育サービスからの撤退による保育難民の発生が懸念される

介護保険型の制度では,事業者が,保育サービスから撤退することも自由とならざるを得ず,その結果,事業者の経済状況如何で保育サービスからの撤退がなされ,当該事業所の経営する保育施設に通っている子どもは保育難民となってしまう。また,介護保険型の制度では,過疎地において,事業者が保育サービスを提供して利潤を得ることが困難となるため,やはり保育サービスからの撤退が起こり,過疎地の子どもが通う保育施設がなくなってしまう結果,保育難民が発生することが懸念される。

小括

以上のとおり,介護保険型の利用者直接契約・利用者補助制度では,「すべての子ども」が排除されない制度とすることは極めて困難である。新システムにおける保育の具体的制度としては,自治体と事業者との間の委託契約を前提とした現物給付制度を採用すべきである。

(7) 結語

よって,新システムに関する法案には,「すべての子ども」が質の良い保育を受ける権利を有することを明文化し,その保障を実質化するために,国や自治体が責任をもって質と量を伴った保育の実施をしなければならないこと,また,保育に関する財源を確保し義務的経費化することを明記すべきである。また,「すべての子ども」に保育を受ける権利を保障することと明らかに逆行する保育制度の介護保険化は,新システムに関する法案からは除くべきである。

以 上

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